クリニックを開業をする際、あるいは経営する際にクリニックの認知度を上げるための広告戦略は重要です。今回はクリニック広告について、私が実際に行ったものについてまとめます。
内覧会折り込みチラシ
開業以前に出した広告のうち、最初に行ったものが折り込みチラシでした。クリニックの入っている医療モールで同時期に皮膚科が開業することになっていたため、共同で内覧会の折り込みチラシを作成しました。
一般的なA4サイズの片面カラー印刷で、内覧会の日時とクリニックの概要を書いた簡単なものだったと記憶しています。
折り込みチラシですから新聞に挟んで配るのですが、新聞会社によって顧客数や顧客分布が微妙に異なるため複数の新聞社に申込みます。
私のケースでは、毎日新聞と朝日新聞と日経新聞に折り込みを依頼し、3km四方くらいの範囲に出したと思います。
皮膚科と折半だったので相場よりは安上がりでしたが、たしか20万円くらいかかったと思います。内覧会を知らせることのできる数少ない手段であるため、コストパフォーマンスは高いと思います。
クリニックホームページ
2019年現在、患者さんがクリニックを探すときにはほぼウェブ検索を利用します。
新規開業でホームページ を作らないのは、このご時世ではナンセンスであると言えます。
様々なウェブサイト製作会社がありますが、各社比較し医療分野に明るい会社に頼むべきでしょう。値段は高くなりますが、医療分野特有の医療広告規制などについて詳しくないと後々苦労することになるかもしれません。
医薬品卸会社によっては非常に安価に作成しているところもあるようなので、探してみるとよいかもしれませんね。
私は開業前に時間があったことと、コスト削減のためにホームページは自作しました。WIXと呼ばれるCMSを使うと、HTMLの知識などはなく比較的簡単にサイトが構築できます。
CMSではWordpressが圧倒的に有名ですが、サイト作成に取り掛かったときに直感操作のしやすさと海外で1億人が使っているというキャッチフレーズでWIXに決めました。
ウェブサイトを自作するとSEO対策は自分で行わないといけないため、検索上位を取るのはかなりきついのですが、その分サイト運営するための知識が身につき経験値を積むことができます。
具体的にはgoogleアナリティクスやgoogleサーチコンソールなどを使ってウェブサイトの管理や分析を行いますが、これについてはまたの機会に記事にししようと思います。
クリニックパンフレット
クリニックの特徴についてまとめたパンフレットを作成するのはすごく有用です。
このご時世で紙媒体かよ、と侮るなかれ。
中年以降の患者さん(とくに女性)は、話のネタに飢えているので、パンフレットを渡しておくと勝手にお友達に宣伝しておいてくれます。
内覧会で配るのはもちろんですが、開業以降も初診患者さんに手渡ししたり、エレベーターなどに置いたりしてどんどんパンフレットを拡散していきます。
近隣の医療機関などにご挨拶に伺うとかにも利用できるので、ある程度まとまった数のパンフレットを用意しておくと良いと思います。
パンフレットには医院の特徴のほか、院長経歴や、クリニックの売りポイントを散りばめます。名刺代わりになるため、広告代理店におまかせにせず、きちんと自分の言葉で文章を書くと良いと思います。
医療モール入り口サイン
私のクリニックは医療モールに入っているため、モールの入り口にサインを出すことになりました。
物件オーナーからは、他のクリニックと同様の書式でサインを出せという要望がありましたので、好き勝手なデザインではできませんでした。医療モールではこのようなケースが多いと思います。
クリニック名や休診日などを表示しておく簡単なサインだったのですが、広告会社から余白にクリニックの特徴を出すように言われました。
他のクリニックはカッコよく最新機器の写真を出したり、特定検診をやっていることなどについて書いてありました。
私は通行人の目に留まりやすく、誰がみても何が得意か分かるようなものがよいと、『腰痛』『肩痛』『首の痛み』とデカデカと表示することにしました。
当院では初診の問診票で来院動機のアンケートをとりますが、最多のホームページ経由に続き通りがかりの方もかなりの割合を占めており、サインを目にして来てくれた患者さんが多いことがわかります。
やっぱり見た目にカッコいい看板にしたくなりますが、潜在患者さんが1人でも多くなる方が有益ですので、実を伴ったサインにするべきと考えます。
人材募集広告
当院のスタッフ採用には、とらばーゆとジョブアイデムを使いました。
前者はウェブメインになるので、比較的若い方が広域から閲覧する傾向があります。一方後者では、上述した折り込みチラシのような効果をもたらすことがあります。
実は世間には別に職探ししているわけでもないのに、折り込みの求人チラシは見る方が結構多くいるらしいのです(税理士社長談)。とくにある程度年配の方に多くいる傾向があるそうです。
人材募集広告で万が一よい人材が採用できなくても、副次的にクリニックの認知度は上がります。とくに高齢の潜在顧客の増加に繋がる可能性があるため、全くの無駄にはならないのではと考えます。
まとめ
私がクリニック開業時に行った広告は以上の通りです。ウェブ戦略が非常に大切なのは言わずもがなですが、実はアナログな戦略がじわじわボディーブローのように効いてくるので、ないがしろにせずに取り組んでみてください。